模範的、少年

 

『ベニスに死す』という映画、印象的です。

随分前に観たのですが、その美しさが今だ脳裏から離れないでいます。めぐっています。本当の 美に出会って死ねた主人公。あの安らかな死顔。あの美に出会わなければ、きっと生命を長らえたでしょうが、それがなんでしょう。もう一度この映画が観たい。観たいけど、観たら普通でいられなくなりそうだ。どうしよう。

 

ヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』も、またまた印象的です。

中学時代の国語の教科書で出会ったのですが、その暗~い美にノックアウトされましたね。「なんだ、これは‥‥」って感じで。あのエーミールって少年、無茶苦茶嫌な奴ですよね。それを知っていながら近づいてしまう主人公の少年。分かる、その気持ちも分かる。でもでも‥‥。あ~あ、人間って摩訶不思議!娘の現在の教科書にも掲載されていて、ちょっとホロリときました。

 

自分の好きなものが、思春期に吸収したものだってことに、最近気づきました。いくら今いろんなモノを取り込もうとしても、内側まで入ってこない。表面に留まっている。そう考えると、思春期って本当に大切な時期だな~と、思います。