アンニュイ、人魚ねえさん

午前中の土砂降りは凄かったですね。傘の骨が折れてしまいました。そして暴風雨の去った夕方の空。美しかった。凄まじい騒ぎの後の、美。よく出来てるな、自然は。

 

谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』という短編を、学生時代に借りて読みました。寒々しいくらい美しかったのですが、どうやらその短編を描いた時期はスランプだったそうです。信じられない。谷崎さんは、スランプでもあんなの書いちゃうんだ。すぐそこに人魚がいるかのような描写が、本当に見事なのです。再び読みたくて、数年前に購入しました。やはり見事でした。