峠のような作業

 

しばらく離れていたネームの直しをしようと思います。

 

一歩進んで八歩下がる、みたいな歩みですが。きっと報われると信じて続けています。面白くなるのもならないのも、ネーム次第だもんな。ここで手を抜く訳にはいかないよな~。コツがつかめる日が来る事を夢見て、作業に入るとします。

  この世で一番好きな本です。

  ヘルマン・ヘッセの若かりし頃の短編集です。国語の教科書に載っていた『少年の日の思い出』が冒頭に載っています。ヘッセの小説はの凄いとことは、苦い思い出を描いていながらも、美しいってことだと思います。そして、それは彼の作品全編に共通していえると思います。といっても、全部の本は読んでないのですが・・・。ヘッセは若かりし頃、書店員をしていたそうです。かなり働かない店員だったそうです。その時の店主は、なんて怠け者なんだって憤っていたでしょうね~。そんなヘッセが、のちにノーベル文学賞なんてものを取ってしまうのですから、みんな腰を抜かしただろうな。

 

本の表示を引っぺがして、ハードカバーをつけるのが趣味です。

この作業をしているときは無我です。傍から見たら狂ってるように見えるかもしれません。そのくらい面白いのです。この本は家にある一番古い本で、中身は川端康成の『小説の構成』という本です。定価15円ってところが、古さを伺わせています。川端さんが(こういうと、近所のおっちゃんみたい)まだ、40・50歳のピチピチしてた時に出版されたモノです。古い本は当時の息遣いに触れる事が出来て、震えてしまうくらい感動します。でも、古さゆえに表紙がベロベロだったり、ネトネトだったりする訳です。そう言った訳で、こんなことをしちゃうんですよね~。

 

横書きの字が反対です。

この作家を知らない人が見たら「成康端川(ナリヤスバタカワ)」って読んじゃいますよね。紙全般の染みが泣かせてくれます。

 

私がひそかに思っている事。ヘッセと川端康成って似てませんか?小説に取り組む姿勢とか、削って削って磨きあげるストイックなとことか。究極の美的世界とか。顔立ちが綺麗なとことか。二人ともノーベル文学賞取ってるし~。なんか似てるよ!